アプリの大規模配信から最新iOSへの迅速対応まで1万1000台ものiPadを導入した資生堂が選ぶ EMMソリューション

業界: 小売&ホスピタリティ

モバイルファーストを基軸に資生堂がiPadへ完全移行

資生堂は日本国内だけでなく、ワールドワイドでもトップクラスのシェアを持つ化粧品メーカーだ。 創業は日本発の鉄道が正式開業した1872年という老舗ながら、これまで業界に先駆けて数々の IT投資を行ってきたことでも知られている。特に30年ほど前からは、積極的なIT活用で店頭の 仕組み改善に取り組んでおり、1989年に店頭POSシステムを導入したほか、2002年には美容の 専門技能を持ち店頭で化粧品を通じて美しくなっていただく提案を行う「ビューティーコンサル タント」へ携帯電話を支給。専用アプリと基幹システムを自動連携し、勤務・活動実績報告などに 役立てていた。

そして2013年6月、同社ではビューティーコンサルタント向けに1万1000台のiPadを導入した。 この背景について、資生堂情報ネットワーク ネットワーク企画部長の毛戸一彦氏は「ビューティー コンサルタント向けの携帯電話はこれまで2回の機種更新を行ってきましたが、老朽化が進んで 保守部品の入手も困難な状況でした。これを機に店頭業務関連の機能を統合し、より効率化する 取り組みの一環としてiPadを導入したわけです」と語る。

「Apps@Work」と「App Delivery Network」で
アプリを効率的に配信

1万1000台ものiPadを導入する上で、必要不可欠なのが管理用のEMMツールだ。主な選定 条件としては、まずワイプやロックなどの基本的な運用管理機能を備えたクラウドサービスで、 今回導入したiPadだけでなく、将来的にWindowsやAndroid端末を導入する可能性もある のでマルチOSに対応していること。また、同社ではワールドワイドで独自開発の店頭向け応対アプリ を使用しており、今後必要に応じて管理できるグローバル対応なども挙げられた。

さらにもうひとつ重要なポイントだったのがMAM関連の機能だ。同社では応対アプリ「メー キャップシミュレーター」「ファンデーションファインダー」「スキンケアコンサルテーション」に 加え、年間約70冊(約6000ページ)の製品カタログやマニュアルを電子化。スケジュール/ コミュニケーション/勤務実績報告/活動実績報告を行う業務アプリも使用するため、より効率的 かつ大容量配信への対応、同時ダウンロードによる高い負荷環境に耐えうるアプリ配信機能が 求められたのである。

資生堂情報ネットワーク  ネットワーク企画部  システム開発グループの三浦絢也氏は「新製品の 市場投入に合わせて1年に4回ほどアプリ更新を行うため、臨機応変に配信ができる仕組みが 必要でした」と語る。

こうしたニーズを満たす製品として選ばれたのが、MobileIronのEMMソリューションだ。iPad の運用管理に必要な基本機能はもちろん、マルチOSやグローバルでの利用にも対応。アプリ配信 に関しては、自社開発アプリの配信だけでなくサードパーティ製ビジネスアプリの管理まで行える 企業向けアプリストア「Apps@Work」が効果を発揮する。

「応対アプリはデータ量が非常に大きいため、当初はダウンロード中にiPadがフリーズするような 現象も見られました。そこでMobileIronの負荷分散サービス『App  Delivery  Network』を導入し、 スムーズなダウンロードを実現しています。応対アプリやカタログは数十メガのサイズがあり、製品 が追加されるたびにデータ量が大きくなっていくほか、アプリの数も今後増えていく可能性がある ので大変助かります(」毛戸氏)

同社では2012年8~9月にかけて検討を行い、わずか2ヶ月半後の11月にはMobileIronのEMMソリューションを導入。市場変化が激しい現代ビジネスに対応できる導入スピードや、高い コストメリットなども選定理由のひとつになったそうだ。

ペーパーレス化で業務効率と顧客満足度の向上を実現

毛戸氏はiPad導入の効果について「ビューティーコンサルタントは自宅と店舗を往復するため、 1ヶ月に1回程度しか事業所に出勤することはありません。こうした勤務形態の中で店頭での カウンセリング活動さらには業務報告まであらゆる店頭業務を、いかに効率良くiPadに集約できる かが課題でした。従来はビューティーコンサルタントが勉強のために分厚い紙カタログを自宅へ 持ち帰ることも多かったのですが、今回のペーパーレス化で負担が減ったと現場からも好評です。 これは弊社にとって、コスト削減よりも大きな効果といえます」と語る。

また、カタログの電子化は必要な項目を見つけ出すのが容易なほか、メモやバックアップ機能が 使えたり、動画などを掲載できるため顧客への説明もしやすくなったという。実際にビューティー コンサルタント向けの社内アンケートでも、7割以上が「お客様とのコミュニケーションが高まった」 と回答しているそうだ。

最新OSへの迅速な対応やマルチデバイス対応もビジネス拡張に有効

資生堂が導入したiPadはiOS 6搭載モデルで、当初は自社開発アプリが動作しなくなることから OSのバージョンアップを行わないよう告知していた。しかし、ここでひとつの問題が発生する。 Appleからのメッセージを見た多くのビューティーコンサルタントが、Wifiに接続しiOS 7へバージョ ンアップしてしまったのである。

iOSは一度バージョンアップすると元に戻すことができず、アプリが動作しなくなった端末は 回収・交換するしか解決手段がない。手動によるiOSのバージョンアップは、現状で制御できない ものだ。

さらに毛戸氏は「iOS  6が非対応になるというリスクも考慮し、iOS  8へバージョンアップすること を決定しました。iOSは毎年最新バージョンがリリースされますが、そうした観点では最新OSに 対するMobileIronの迅速な対応もありがたいですね」と語る。

「iPadに限らず、時代の流れに応じて最適なモバイルデバイスを導入したり、現在一部の店頭で 使用しているWindows端末を将来的に一元管理する、といった流れが生まれる可能性もあります。 そうした状況下において、さまざまなデバイスが管理できるMobileIronのEMMソリューションは 大きな武器になります」と、毛戸氏はさらなるモバイルデバイスとEMMソリューションの活用に 意欲を見せてくれた。

Shiseido
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主な利点:
「iPadの一元的な運用管理はもちろん、 ペーパーレス化に必要不可欠となる大 容量かつ大規模なアプリ配信の課題も クリア。店頭スタッフ「ビューティーコン サルタント」の業務効率および顧客満足 度の向上を実現したほか、将 来的な ビジネス拡張やモバイルデバイスの増加 にも柔軟に対応できる」 毛戸氏
なぜMobileironか:
「MAMやMCMを含むEMMへの拡張 に加え、マルチOSやグローバル対応、 最新iOSにも即時対応が可能。さらに、 大容量アプリを1万1000台のiPadから 同時にダウンロードするという、極めて 高負荷な環 境にも耐えうる大 規 模 アプ リ配 信 機 能 を備えた 製 品 は 、 MobileIronのEMMソリューションだ けだった」 毛戸氏