富士フイルムグループが、グローバル共通の モバイル基盤としてMobileIronを選択

業界: 製造

顧客接点領域強化を狙いスマートデバイス活用を推進

富士フイルムグループは、徹底的な構造改革により作り上げた強靭な企業体質を基盤に、さらにグロー バル化を進め、世界市場を舞台に新たな成長戦略を推進。IT部門もグループのビジネスに貢献できるよう グローバルIT戦略を策定し、IT・業務プロセスの整備を推進してきた。

具体的には、機能・組織再編、新興国進出に柔軟かつ迅速に対応できる業務プロセスやIT基盤の標準化・ 共通化・統合化、顧客接点領域・SCM領域の業務プロセス・IT基盤整備、ITに関するグローバルなガバナ ンスの強化に取り組んできた。ITインフラ基盤の整備もその1つで、例えば、メール・情報共有基盤は グローバルなクラウドサービスであるGoogle Appsを採用。また、モバイルの積極的な活用を進める中で、 移動時間などの隙間時間を活用することで営業担当者が実際に顧客と商談をする時間を最大化できる よう、Google Appsをスマートデバイスで活用できるよう検討を始めた。2012年10月のことである。

以前より、海外を中心にスマートフォンが活用され、日本でもタブレットで顧客へのプレゼンテーション を行うなどスマートデバイスは一部で活用されていた。一方で、これまでアクセスを許可していない社内 システムへのアクセスの要望が高まっていた。こうした状況も踏まえ、同社では会社支給端末に加えて、 個人端末を業務にも利用するBYOD(Bring Your Own Device)の活用も検討した。

富士フイルムコンピューターシステム株式会社 システム事業部 ITインフラ部 部長 柴田英樹氏は、「1年 前はBYODに対する課題も多く、スマートデバイス活用による効果を明確化できない状況にありました。 しかし、スマートデバイスの特性を活かし、利便性を享受することで、課題解決や効果の具現化が進み、 状況はかなり変わってきました。」と語っている。

会社領域の分離や認証でセキュリティを確保

スマートデバイスを業務で使う以上、確実な管理が必要だ。そこで、モバイル管理ツールの選定を開始。 IT戦略を推進する上で重要となるグローバルに利用可能という要件等で絞り込んだ3つのサービスを 比較検討した。その結果同社が選択したのが、MobileIronである。

その最大の選定理由は、BYODを前提で考えていたため、それを確実に実現できることだ。柴田氏は、「例えばBYOD端末を紛失した場合、情報漏洩対策としてスマートデバイスのデータをどのように消去する かという問題があります。その点MobileIronは、MAM(Mobile  Application  Management)によって、 個人と会社の領域を分けることができます。機能制約がほとんどなく、利便性を損なうことなく、運用管理性 に優れた実効性の高いソリューションでした」と評価する。

さらに、クラウドとオンプレミスの両方を揃えており、クラウドサービスを選択できること。スマートデバイス の認証機能と組み合わせることで、セキュアに利用できる点も評価した。ユーザーが業務システムを利用 する際、認証基盤と連携し、ユーザIDによる認証に加えて、会社が許可したデバイスでなければアクセス できないようにした。また、Google Appsをはじめとした各システムはシングルサインオンで利用できるよう にしており、各システムのIDとパスワードは非公開にしている。これらを非公開にすることによって、特定の 人が特定のデバイスからしか利用できないようにした。

導入にあたっては、日本でMAMやBYOD活用の先行事例がない中、MobileIronの手厚いサポートも あり、2012年12月に決定後2013年3月にはパイロット利用を開始。2013年5月から順次ではあるが、 本 格利用を開始した。柴 田氏は 、「クラウドを採 用したことで、非 常に短期間で導入できました。 MobileIronは、問題や機能改善要求に対しても、米本社にすぐエスカレーションして、迅速かつ柔軟に対応 いただきました。これだけ親身なサポートを行ってくれる専門ベンダーの製品・サービスであれば、導入後 も安心と感じました」と語る。

電話やチャットを含めたコミュニケーション基盤に

富士フイルムグループでは、2014年前半に日本のセールスやマーケ ティング、フィールドサービスなど外出が多い社員を中心にスマートデバ イスの業務利用を進め、4月以降は海外にも展開していく予定。グローバル 共通の基盤として利用することになりそうだ。

既に本格利用している販売系グループ会社では、Google Appsだけで なく、SFAやオンプレミスシステムとも一部連携。多くの業務を外出先から こなせるようになり、社員にも好評だ。

富士フイルムグループでは、スマートデバイス活用による業務の効率化 により、業務時間の1割を、顧客に接する時間として活かせることを目指している。「一人で広域のエリアを担当するセールス担当が、事務処理のた めに拠点へ移動する時間や交通費も加えれば、さらに大きな効果がある と期待しています」(柴田氏)

同社は、今後社内の電話基盤についても更新を予定している。その目的 は、コミュニケーション力のアップとコスト削減。柴田氏は、「相手がどこに いるかを意識せずに、音声やチャット、Web会議、メールなど目的にあった コミュニケーションを簡単にとれるようにしたいのです。今回MobileIron の管理機能を試用し使い勝手が良好でしたので、その際にも活用を検討 予定です」と語る。

これからも、富士フイルムグループのITインフラ基盤を、MobileIronが 支え続ける。