スムーズなメール対応のためにiPhone+Gmailと共に
MobileIronを導入

株式会社ADKアーツは、ADKグループの制作会社5社が合併して2003年に事業を開始。現在はCM・映像制作等をはじめとした広告コンテンツ全域にわたる企画制作を行なう総合広告制作会社となっている。

広告コンテンツは制作の過程でクライアント企業の他に外部協力会社などともやりとりが多く発生するため、対応の迅速さも求められがちだ。しかし以前は、外出先からのメール対応が迅速にできず、不便に感じることも多かったという。

「当時、全社員にガラケーの業務用携帯を配布しており、回避策としてキャリアメール宛てにPCメールを転送していたのですが、添付ファイルは確認できませんし、返信はキャリアメールからとなってしまうため、結局対応は帰社してからという形になっていました。そこで、先ずはメールシステムをGoogle Apps for businessに変更し、その後業務用携帯をiPhone4sに変更して外出先からもメールで対応できるようにしようと考えました」と語るのは、株式会社ADKアーツコーポレート本部 ソリューション推進部 部長の大海晃彦氏だ。

iPhoneを利用した外出先でのメール対応を開始するにあたって、セキュリティのことが気になったという。Gmailに関しては、シングルサインオンサービスと組み合わせることによって、アカウント毎にグローバルIP、証明書等を組み合わせてセキュリティを掛けられる仕組みを持っていたため、後はiPhoneのセキュリティをどのように保つのかが重要になってくる。そこで、端末管理ソリューションの導入が検討された。

「導入時点で絶対に必要だと考えていたのはリモートワイプ、リモートロック、GPSロケーション情報などでした。シンプルな要求なのでキャリアが提供しているMDMで事足りる機能ではありましたが、長期的な視点では必ず不足が出るだろうと考えました。専門のMDMが必要だと考えて探していた時、代理店から推薦されたのがMobileIronです」と大海氏。

他のソリューションと比較した時に、導入コストと保守費用を合せて考えるとコストメリットも大きいということからMobileIronの導入が決定された。

受付システム制作後、社内コミュニケーションをインハウスアプリで強化

当初はメール・スケジュール・連絡先の共有のみにiPhoneを利用していたが、現在はこの他にインハウスアプリを制作し、配信・利用している。「iPhoneのコストを考えるとGoogle Appsだけというのはもったいないと感じました」そこで手がけたのが社内コミュニケーションの改善だ。コーポレート部門が発信する社内的なインフォメーションが掲載される掲示板は社員全員が確認すべきことになっているが、実際には24%の社員しか見ていない状態だったという。そこで、iPhoneですぐ確認できる仕組みに変えたら枯れた掲示板が蘇るのではないかと考えました」と大海氏。

以前は社内ネットワークに接続した上でブラウザからしか表示できなかったものを、インターネット経由でアプリから利用できるように改善した。「アプリの利用を開始してから一気に閲覧が伸び、現在は閲覧率が80%をオーバーしています。」と大海氏は成果を語る。管理しているのはMobileIronの機能である「Apps@Work」だ。

外部コラボレーションは「Box for EMM」で実現

MobileIronの活用はさらに広がっており、社内および外部とのファイル共有には「Box for EMM」を採用し、MobileIronで管理しながら利用している。MobileIronとEMMを組み合わせることで端末制限の運用がシンプルになり、1つのポリシーで全端末をコントロールでき運用コストが大幅に削減できる。更にBoxのストレージ領域をroot階層で2つに区切り、社内だけで利用する領域と取引先を招待できる領域に分けることで、社内限定の領域に対してはよりセキュリティレベルの高い領域をつくることができ、取引先を招待できる領域には、よりスピードと利便性が意識できる領域を作成することができたのだ。

「以前はメールに添付ファイルをつけてやりとりしていました。世代管理も大変で、ミスも起こりやすい環境でした。Box for EMMでコラボレーションがスムーズに行えるようになってからは、仕事のやり方がかわりましたね。大きな案件を担当した現場スタッフからは、もしこれがなかったとしたら大変だったと満足の言葉が届いたほどです」と大海氏は語る。

さらに、海外出張時のスムーズな業務進行にもMobileIronの機能を活用している。広告用のノベルティ作成に関する検品等で海外への出張が非常に頻繁に発生する中、特定の国でメールシステムとして利用しているGmailが利用できないという問題が発生した。そこでSentryを経由してVPN接続させることで利用を可能にし、出張先でもセキュアなGmail利用を可能にしたのだ。

業務復帰を最優先!紛失・故障時にもDEP+自動登録システムで迅速

導入当初に心配された端末の紛失については、実際に数件発生しているという。中にはGPS情報を利用して発見に至るものもあるが、リモートワイプの対象になったものも存在する。

「休日などに紛失の連絡がきて、手元のPCからGPSでの捜索やリモートでのロックやワイプを行なうことになったこともあります。迅速に対応できるのはとてもいいですね。MobileIronのインターフェースや各種機能も、使いやすいと感じています」と語るのは、株式会社ADKアーツ コーポレート本部 ソリューション推進部 ITソリューションルームの山川将人氏だ。

「端末設定にAppleのDEP (Device Enrollment Program: 大量のiOS端末を一括で導入 するサービス。MobileIronのEMMと連携可能)を利用しています。他社の事例だと1台ごとに キッティングしているようなものもありますが、DEPとの組み合わせでほぼ自動でキッティングが完結してしまうというのが良いですね。当社では端末購入時に事前にシリアル番号をSalesforceで管理している台帳に登録しておくことで、ユーザーがiPhoneの初期登録時にID/Passwordを入力すればどの端末を誰が使っているのかをMobileIronで把握、その情報をSalesforce台帳へ流し込むところまで自動化してあります」と大海氏。インベントリ収集も日時で取得したデータをSalesforceに流し込むことで効率化している。

「端末紛失等はあっても大きな事故は起きていません。登録の自動化もできて運用がしやすくなりました。クラウド型サービスではないのでMobileIron本体のバージョンアップも任意のタイミングを選択できますし、とてもよいと感じています」と山川氏も満足度の高さを語った。

グループ会社へのリモートサポートなどさらにMobileIron活用を検討

受付の完全自動化、社内コミュニケーションの大幅な改善、外部関係者とのコラボレーション強化と成果を出している株式会社ADKアーツだが、今後はさらに手をひろげて行きたいとしている。その1つが、自社で利用している受付システムのグループ会社への展開と、そのサポートだ。

「グループ会社でも受付iPadの要望があるので展開しているのですが、遠隔地だとなかなかサポートしづらいのが実情です。MobileIronのhelp@workを利用して、スムーズな対応ができるようにしたいですね」と大海氏。いずれはシステムの販売なども視野に入れているというが、その時にもMobileIronを活用してサポートできるようにしたいと考えているようだ。

今後は社内利用においてもポリシー設定をさらに練り込むなど、よりMobileIronを高度に使いこなして行きたいという。

「MobileIronは高いテンションで仕事をしてくれていると感じています。これを、今後も保って行って欲しいですね。EMMのリーダーであり続けて欲しいと考えています」と大海氏はMobileIronへの大きな期待も語った。