モバイル端末の積極活用に向けて管理環境を一新

三井物産株式会社は、1947年の設立以来、日本を代表する総合商社としてグローバルに多種多様な事業を展開してきた。資源系のビジネスだけでなく、非資源系への注力も強化しており、2020年3月期には連結純利益4400億円を目指している。

歴史ある企業ながら「攻めのIT企業」としても知られており、デジタルトランスフォーメーションでのビジネス変革に全社をあげて取り組むなど、新たな技術の取り入れも盛んだ。そうした中、当然モバイルデバイスの活用も行ってきている。

「以前はiPhone、iPadの他にBlackberryもグローバルで利用していたのですが、Blackberryのサービス終了にあたって、もっとモバイルを十分に使える状況を作ろうと考えました」と語るのは、三井物産株式会社 IT推進部 情報通信基盤室長の村田理氏だ。

従来はモバイル端末からは、メール確認、共有カレンダーの利用、リモートデスクトップによる自席PCの操作といった作業を行っていた。アクセスにあたってはVPNを利用していたが、その利便性やセキュリティに課題を感じていたという。

「接続するたびに手動でVPNを利用していたので、メール確認など頻繁に利用したい機能が使いづらくなっていました。また端末管理はキャリアのMDM機能を利用していましたが、端末の現在位置などはわかるものの、使われ方などは把握できず、機能的に十分ではないと感じていました」と村田氏は語る。

豊富な導入実績とサポート力、十分な機能を持つMobileIronを選択

新たなモバイルデバイス管理ツールに求めていたのは、自動的なVPN接続、十分なセキュリティ、多数の端末を確実に扱える管理機能などだった。さらに多くのアプリを積極的に利用したいという希望もあり、アプリの柔軟な配信やコントロール機能も必要としていた。

「必要とする機能を持つソリューションはいくつもありましたが、検討を行っていた2014年当時、最も充実していたのがMobileIronでした。日本でもグローバルでも豊富な採用実績がありましたし、日本でのサポートも充実していました」と村田氏はMobileIron採用のポイントを語る。

「セキュリティ面は特に重視しており、紛失・盗難時のリモートワイプなどができることに加えて、詳細な管理ができます」と村田氏。YammerやSkype、SharePoint、OneDriveといったマイクロソフトのビジネス向けアプリを中心に、市販のアプリも積極的に導入。その配信をMobileIronのApps@Workで行っているという。

また、企業領域のコンテンツのアクセスにDocs@Worksを利用。Open In制御機能によりプライベートのアプリに企業領域のコンテンツをコピーできないようにしている。また現在開発中だが、イントラネットへのアクセスにもWeb@Workを利用するなど、MobileIronの機能をうまく活用している状態だ。

「モバイルアイアンの自動VPN機能 (MobileIron Sentry)と組み合わせることでiOSのメーラーやSafariも安全に利用できます。またOfficeアプリも起動すると自動的にVPN接続して、シングルサインオンでセキュアにアクセスできます。現場で便利なのは、PCのログインパスワードが失効してしまった時の再発行操作をモバイルからできるようになったことですね。これはアプリの開発を行いました」と村田氏は、モバイル端末のセキュリティが向上したことで業務上の用途が広がったことを語ってくれた。

導入は三井情報株式会社が担当、月額料金によるサービス型で提供し、運用面も担当。アプリ開発なども手がけ、強力にサポートしている。

多彩なアプリの積極利用で生産性向上を実感

現在利用されている端末は、iPhoneが7000台程度、iPadが1500台程度だという。以前のメールやスケジュール確認を主体とした利用に対して、多くのアプリを導入したことで活用が進んでいる。

「MobileIron導入後からはiPhoneの利用シーンが拡大し、出張がちな社員が多い中、明らかに生産性が向上しています。特にメールがプッシュ配信されるようになったこと、カレンダーが素早く確認できるようになったことは大きな効果が出ています」と村田氏はMobileIron導入で実現した新環境を評価する。

アプリやブラウジングのホワイトリスト/ブラックリスト機能も取り入れ、また、セキュリティはモバイルアイアンのVPN機能で確保。ユーザーの利用実態を観察しつつ積極的な利用を促している状態だ。

「ユーザーからは、こういうアプリが使いたいというような要望も多く出ています。だいたいはプライベートで使っている便利なアプリを業務でも利用したいという具体的な提案です。一方で、SharePointのような使い方が少し難しいアプリについては社内セミナーなどを開催して教育機会をもちつつ、普及を待っている状態です。多くのアプリが普及すれば、さらなる効果が見込めると期待しています」と語る村田氏は「今後はOffice Lensなどの一般アプリやO365関連のアプリなども利用可能にするつもりですし、SAPの承認機能やBIのレポーティングなど外出先でもやりたいことや、PCから作業するのは手間がかかることなどもどんどん取り入れて行きたいと考えています」とモバイル活用の幅を広げることに非常に積極的だ。

より多彩な端末&アプリの活用へ
安心・安全な環境を用意して成長へつなげる

今後の展開としては、先に挙げた各種アプリの導入に加えて、管理端末の多様化も目指しているという。「将来的にはiPadやiPad Proですべての仕事ができるようにしたいですね。通話中心など限定的な使い方になるかもしれませんが、Androidも考慮に入れないといけないとは考えています」と語る村田氏は、幅広い端末に対応するMobileIronを利用して、より多くの環境を活用・管理することを目指しているようだ。

さらに直近の目標として、より簡単にイントラネットを利用できるアプリの開発など、社内的にモバイル活用が進む後押しとなる取り組みも語られた。

「必要なのは、安心して使ってもらうことです。安全に、安心して使える環境を作った上で、どんどん使ってくださいと言う。今後はアプリも使ってよい基準のようなものを決めてどんどん入れられるようにしたいですね」と、セキュリティと利便性を両立させるラインを探したいと語る。これも、基本的なセキュリティが保たれていいるからこその取り組みといえるだろう。

「効果測定は必要ですが、まずは使ってみる。どんどん進める。変化の激しいモバイルの活用は、そういうやり方が大事だと感じるのです」と村田氏。

多くの社員がプライベートでスマートフォンを活用している今だからこそ、より便利に、より使いやすくという要求は高い。企業側で認められるセキュアな環境を整えつつ、その要求をできるだけ受け入れて行くことが生産性の向上につながるという考えを、MobileIronのテクノロジーが支えて行けるはずだ。