生産性向上を目指してモバイル活用に着手

三菱オートリース株式会社は、法人向けに自動車関連のサービスを展開している。多様化・複雑化するお客様のニーズにお応えすべく、ファイナンスとしてのリースに止まらずお客様にとって最適な車両管理・運用プランを提案・提供している。近年では、車両管理業務を受託する車両管理BPO、車両の運行情報収集・安全運転指導に供するテレマティクスサービス、保険サービスを複合的に組み合わせたリスクマネジメント等幅広く手がけている。

同社が、営業活動にモバイルデバイスを積極活用しようという動きがはじまったのは2013年半ばだったという。

「当時、営業現場にはいろいろな課題がありました。営業担当者は、外出している間は、フィーチャーフォンによる電話連絡と、持ち出し専用のPCからオフィスにある自分のPCを遠隔操作して仕事をしていたので、何をするにも時間が掛かっていたのです。」と語るのは、三菱オートリース株式会社 情報システム部 ITインフラ課 課長代理の荒木正憲氏だ。

電話は、相手がつかまらないと用件を伝えられず、メールの確認や返信は、外出の前後か、外出先で持ち出し専用のPCの準備が整ってからと、顧客や社内との連絡、調整に多大な時間を割かれていたほか、フィーチャーフォンの紛失、盗難による情報漏えいリスクや、外出中に上司との商談の予定を立てづらいなど、多くの問題があったという。

これらの問題を、iPhoneなどのスマートフォンの活用で解決できるのではないかと考え、スマートフォンの導入が本格化する前から、スマートフォンの効果的な活用方法や必要な環境について調べたところ、EMMは、スマートフォンの導入・活用に、なくてはならないものだと感じていました。」と荒木氏は語る。

将来性を考え、国内を含めたグローバルでの実績と豊富な機能を持つMobileIronを選定

端末管理の必要性を強く感じていた荒木氏は、製品の継続性があり、ユーザの潜在ニーズを汲み取れる豊富な機能を備えるもの、という視点で、製品の選定を行ったという。

「参考にしたのは、米Gartner社のMagic Quadrantや、国内外の導入事例、販売元や導入済み企業へのヒアリングなどです。

さまざまな情報を集めてEMM製品を調べたところ、EMMは、企業がスマートフォン自体と、その中で動作するOSの機能を管理、制御するもので、それらはスマートフォン用のアプリにも影響を及ぼすものであることに気づき、そうであれば、スマートフォンやOS開発に密接に関わっている企業のEMM製品を選んだほうが良いと考え、世界シェアと導入実績を重視しました。また、EMMというと端末の設定状況や位置情報の確認が重要視されがちですが、わたしたち企業にとって最も重要なのは、ビジネスで生み出されたデータを安全に取り扱い、それらを活用する社員を支援して生産性を向上し、顧客満足度を最大化することです。そういった視点で見た時、十分な機能と、国内外の大手企業の導入事例を豊富にもつMobileIronを採用したいと考えました。」と荒木氏。

機能面では、基本となるデバイス管理に加えて、専用のセキュアアプリではなく、社員が個人のスマートフォンで利用している、OS標準のネイティブアプリをセキュアに利用できることを重視した。

「個人で利用しているのと同じ感覚でメール等を使える環境のほうが、ユーザーには使いやすさ、親しみやすさを感じてもらえますし、管理者としても最小限のサポートで対応できると考えました。また、細かいことですが、デバイス本体の電話帳に、セキュアにお客様情報を保存し、誰からの電話やメールなのかを即座に知ることができたり、すぐに連絡を取れるようにできる点にも着目しました。」と荒木氏は語る。

こうした導入当初の要望を満たしつつ、将来、必要な機能を速やかに利用できる点を踏まえ、MobileIronのライセンスはEMM Platinumにしたという。

MobileIronの機能をフル活用して業務効率化を実現

現在は、営業担当者や営業関連部門の管理者のほか、BCP対応を要する担当者に対して、iPhoneを配布。また、営業担当者にはiPadも配布して、顧客提案ツールとして利用しているという。

メールやアドレス帳、予定情報の共有化を実現し、コミュニケーション力を強化したほか、社内で利用しているアプリケーションをPer-App VPN機能を使ってセキュアに利用するために、「MobileIron Tunnel」を活用している。

「利用を認めているアプリを一覧にしたり、顧客提案用に作った社内アプリを配信するために「Apps@Work」を利用していますし、メールに添付されたファイルは、パスワードがかかったzipも含め、Docs@Workで内容を確認できるようにしています」と荒木氏はMobileIronを十分活用している様子を語る。

導入前と比較し、顧客や社内との連絡が取りやすくなったおかげで、お客様へのフィードバックは目に見えて早くなりました。以前は日中に届いたメールや電話を、夜、帰社してから対応していたため、お問い合わせをいただいた翌日にお返事することが多かったのですが、今は日中に対応を済ませられていますので、生産性は150%アップ、という言いかたができるかもしれませんね。必要に応じた直行直帰もしやすくなりました。」と高い効果の実感も語られた。

Windows10搭載PC管理やクラウド活用準備など幅広い活用を予定

今後は、さらにモバイルで業務が進められる態勢を整えて行きたいとして荒木氏が語ってくれたのは、Windows10を搭載したPCの管理だ。「現在利用している据え置き用のPCの更改時期を迎えたら、会議室や外に持ち出しせるような機種を採用し、それらをスマートフォンと併せてMobileIronで一元管理していきたいと考えています。外出中でも有用ですし、社内でも紙資料を使わずにPCを持ち寄れるようにすれば、今以上に必要な人とコミュニケーションが取りやすくなるので、会社全体の生産性向上が見込めるからです。」

また、クラウド活用についても意欲的だという。「今、ユーザーは、システムを利用するためのIDやパスワードをたくさん管理していて、しかも定期的な変更をルールで強いられています。今年に入り、米国立標準技術研究所(NIST)が「定期的なパスワード変更は推奨しない」とした内容のガイドラインを発行することを決めた、というニュースもあったことですし、これからは1組のID、パスワードで、必要なシステムやサービスを安全に利用するために、MobileIron Accessを活用できることを期待していますし、これまで以上にクラウドを活用し、社内外との円滑な情報共有を推進できるように備えておきたいところです。まだ、社内にはクラウド利用への不安が強くあるのですが、その不安は時間が経てば解消されていくと思います。」と荒木氏。

この他にも、より大規模な災害を想定したBCP対応を進めておきたいなど、広い視野を持った対応を考えているという。

「たとえば数日程度の停止ではなく、数ヶ月オフィスが使えなくなってしまう状況でどうするのか、ということも考えてみなければいけないと思います。そう考えると、MobileIronもオンプレミスではなく、クラウド型のMobileIron Cloudで運用するという方法もアリかもしれません。キーワードは、生産性向上と顧客満足度向上です。その実現に向けてMobileIronを活用し、顧客に必要とされる会社であり続けたいですね。」と荒木氏は語る。その成長と、大きな展望の実現を今後もMobileIronが支えて行けそうだ。