使い勝手とセキュリティを両立させるためにMobileIronを利用

株式会社アールシーコアのBESS事業は、<「住む」より「楽しむ」>というスローガンを掲げている。利便性 や機能性を特徴とする住宅ではなく、暮らしを楽しむための道具としてBESSのファンになってもらうこと を強く意識した営業スタイルをとっている。

直営展示場は2カ所のみで、2カ所は子会社が運営。残る34カ所はパートナー企業が運営している。 初期導入としては直営展示場のみ1人1台のiPadを貸与し、ほかの36展示場は1拠点あたり2台を配備する という形でiPadを100台導入したのが、2013年5月。主な使い方は、独自開発したアプリを利用しての 来場者とのコミュニケーションだ。

「未熟な営業担当者でもうまくお客様とコミュニケーションをとれるように以前から様々なツールを作って きたのですが、新たなツールとしてiPadを使うことにしたのです」と語るのは、株式会社アールシーコアの 総務部 IS企画 チーフである千頭和正記氏だ。

来場者に「BESSの家で、暮らしを楽しむ」ことを、より自分事にしてもらうためにアンケートアプリを作成 して現場で活用することにした。取得した情報はサーバや端末に蓄積せず、その場で印刷。来場者が持ち帰り、 ログハウス生活への夢を具体的にイメージするためのツールとして活用してもらうというイメージだ。

「個人情報が保存されていないので強固なセキュリティは不要ですが、端末管理は必要です。しかし iPadの操作に全員が慣れているわけではなく、端末操作に慣れてもらうことが目的でもないため、現場の 使い勝手がよい状態で管理するのが目標でした。そこで、現在はMobileIronでごく基本的な管理を行って います」と千頭和氏は語る。

将来的に必要となるMAM/MCMに対応することでMobileIronを選択

自身がスマートフォンやタブレットを長く活用してきたという千頭和氏は、便利ではあるが自由度が高い ことが危険にもつながることは強く感じていたという。そのため、iPad導入時にはMDMを利用することは 必須条件と考えていた。

「展示場の端末はキッティングして配布する形をとり、アプリの配信をMobileIronの企業向けApp Storeを利用して行っています。現場にはAppStoreの利用に必要なパスワードを通知しないことで 新規アプリのインストールを制限。稼働し始めてからは利用状況の把握などにMobileIronを活用しています」 と千頭和氏。ごく基本的な使い方だが、MobileIronに出会うまでは理想のMDMが見つからずに苦労した という。

「私がMDMというものを理解しきれていなかったのですが、今考えると求めている機能が広範囲でした。 端末全体でのアクセスをセキュアに行うだけでなく、特定アプリのみ企業システムに接続可能、というような 機能が将来的に必要なのに、それができる製品が見つからなかったのです。MobileIronはMobileIron AppConnect、MobileIron  AppTunnelといった機能を持っており、これならば私のイメージを実現でき そうだと感じました」と千頭和氏は語った。

複数の製品を比較検討した中でも、最もイメージに近いものがMobileIronであると確認。実際の導入 を決めた。展示場で利用されている端末に対しては軽い制限をかけた上で、OSのバージョン確認とアクセス 状況の把握に利用している。

「Wi-Fiモデルなので、誰かが使って接続しなければMobileIronにアクセスしません。アクセスの間が極端 に空くということは、展示場ではその端末が使われていないということになります。展示場対応をする部署 は別にあるので、そこを通してなぜ使われていないのか、トラブルがあるのかなどを確認するのにも活用 しています」と千頭和氏は用途を制限するだけではない利用方法を語った。

職務に合わせた複数のポリシーを適用して社内業務を モバイル対応へ

将来的に高機能を必要としているのは、先に述べた展示場での活用で はなく、本社業務でのiPad利用だ。以前からタブレット活用の希望が社内 にあったため、展示場への導入に続いて本社業務をモバイルで行えるよう にする取り組みが2013年7月からスタートしている。

「現在は外出して仕事をする社員用の10台と、展示場対応をする部門 の5台、検証用5台の20台を使って活用方法や最適な設定を模索している 段階です。現段階ではアプリインストール等にも制限は行わず、インストール に際して相談してもらうようにしています」と千頭和氏。業務にどんなアプリ が必要なのか、どういう使い方をすると便利なのかを検証して行く。本格 的な利用は2013年下期になる予定だ。

社内システムがモバイルデバイス向けに作られていないため、当面は グループウェアでのスケジュール確認といった使い方がベースになるが、 用途拡大には意欲的だ。よりセキュアなメールの送受信など利用機能の 追加はもちろん、社内共有フォルダへの接続もmobilEchoで実現する 計画を持っている。

「家を建てる、メンテナンスするという中ではお客様のいろいろな情報 をお預かりします。図面なども、家のどこに何があるのかという情報ですから 重要です。現在はこれを紙で管理しているので、電子化する取り組みも必要 です」と千頭和氏は語る。

普段から外周りをする社員は十数名程度に限られるが、取り引き会社 との打ち合わせなどで外出する機会のある社員は非常に多い。建材の 展示会などに出かけることも多いという。さまざまな業務をiPadから行える ようにし、隙間時間を有効活用することで業務を効率化するのが狙いだ。

「職務内容ごとに必要となる情報は違いますから、必要な設定を見極めた 上で職務ごとに違う設定を行うつもりです。MobileIronならばラベル機能 でそれが簡単に行えますし、セキュアなアクセスができるのも安心ですね。 業務システムがモバイル対応を前提としたものではないためどこまで出来る かはわかりませんが、できるだけ業務の多くの部分をiPadから行えるよう にしたいと思っています」と千頭和氏は語った。

利用者と管理者の両視点でセキュリティを確保しつつ使い勝手も追求

株式会社アールシーコアでは、近い将来にはBYODに対応することも 予定している。外出先での業務が必須となる社員には企業が保有する端末 を貸与し、それ以外の社員が利用を希望する場合には自己保有端末の 持ち込みを柔軟に受け入れる。誰もがスマートデバイスを活用している 今、BYODを拒否するのではなく受け入れることで企業が負担するコスト を抑えながら現場の働きやすさを向上させようとしている。

「私は管理者として、一定のセキュリティを保った上で自宅PC等から業務 システムにアクセスするということは以前から行っています。出張中などにも 利用していますし、空いた時間に業務を進めておくことで翌週には新たな 仕事に取りかかれる、というような効果はよく知っています。ですから BYODを推し進める気はありませんが、うまく受け入れて行きたいですね」 と千頭和氏。

業 務 上 必 要であると所 属 部 門の上 長が 認めれば 、個 人 端 末を MobileIronで管理するためのアカウント費用を部門が負担する。個人端末 でもMobileIronで管理した上で、業務用アプリ等からのセキュアなアクセス については支給端末と同等に行えるようにできるというわけだ。個人端末 内にインストールするアプリにまで制限を加えることはできないが、端末 単位ではなくアプリ単位等でアクセスの可否を指定できることで、BYOD への対応を実現する予定だ。業務上で利用できるオンラインストレージな ども用意したいと考えている。

「管理者の立場から見ると検証に時間がかかり、管理する内容も増える ので大変なのですが、自分でスマートフォン等を使えば使うほどに便利さ を感じます。これはみんなやりたいだろうな、と本当に思うのです。私が そういう風に使いたいですから。利用者目線の方が強いのかもしれません」 と千頭和氏は笑う。

現在は、Mobil e Ironの導入を担当した三井情報株式会社から、 MobileIronの高度な活用方法や設定とともに、連携サービスや、グループ ウェアのGoogle    Appsへの入れ替えなどの提案を受けている。

「モバイルで仕事をしたい。でも、会社貸与端末と個人端末の両方を持ち 歩くのはムダですよね。セキュリティは大事ですが、仕事のしやすさも大事 です。そういういろいろな問題を、MobileIronを利用して全て解決したい と思っています」と千頭和氏は語った。